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1987年に歯槽膿漏の患者学というテーマで家庭医学書を出版し、本年2007年で20年が過ぎました。本著を上梓した主旨は、不治の病ともいわれていた歯槽膿漏もその原因が明らかになり、そして進歩した治療法も開発されたことにより、歯槽膿漏は治すことのできる病気であることをご理解頂くことでした。そして、さらに大事なことは、長期にわたり健康な状態を維持することが可能であるということです。換言すれば、楽しい食生活がいつまでも営みつづけられるということに尽きるわけです。

ご存知のように、歯槽膿漏の多くは歯の根の周りの歯を支えている骨が溶ける病気です。そして、この骨を溶かす原因は、歯垢・歯石などの細菌です。この細菌が歯と歯肉の境目から歯の根の先の方へ向かって入り込み、そして歯の根に付着しながら骨を溶かします。放置しておくと、いずれは歯の根の囲りの骨が溶け、そして歯は支えを失って抜け落ちてしまうことになります。
このような経過をできる限り早く阻止することが極めて重要です。その理由は、溶けてしまった骨は殆んど元に戻すことができないからです。

他方、歯槽膿漏も虫歯も原因は歯垢・歯石などの細菌です。もし、歯の囲りに細菌が付着していなかったら、歯槽膿漏にも虫歯にもなりません。細菌の付着がないまま、人生100年200年の生存でも健康なままの生活を送れるということが推測されます。
歯槽膿漏治療の成功は、歯垢、歯石などの細菌との戦いに打ち勝つことであり、さらにその予防も細菌の抑制が絶対的な条件であることは言うまでもありません。それ故、歯槽膿漏と歯垢、歯石との関わりをご理解頂くことがしいては豊かな人生へと導くことになるわけです。

食べ物を食べる、噛むということは人間生まれついてからの本能です。そして、物を噛みたいという欲求をもっています。それを咀嚼欲といいます。その咀嚼欲を無視したら、生体にどのような影響が及ぶでしょうか?栄養十分な親指大の丸薬と濃縮ジュースで生きてはいけると思います。しかし、人間本来の願望である「物を噛みたい」「美味しく味わいたい」そして「満腹感を得たい」という衝動にかられ「心理的、精神的」に耐えられず「欲求不満」に落ち入ってしまうはずです。

日本の味わいの中の「歯ごたえ」は、物を噛むことにより満喫することができます。「味わい」「おふくろの味」という言葉は、日本のほこるべき伝統であり、日本人としての味文明の誤りです。
「口の中に生えてきた全ての歯は、他の臓器とともに生涯機能し続けるものであるという頑強な意志を持って頂き、そして惜しみない努力により生涯の食生活を楽しみ、健康で豊かな人生を勝ちとって頂きたいと願って「歯槽膿漏の患者学」を上梓いたしました。

本稿を出版するにあたり、1980年〜1983年に治療された4名の患者さんに「治療されたことに関する様々な感想」を手記として掲載いたしました。それから「20年が経過して、いま想うこと」というテーマで再度手記をいただきました。1名の患者さんは、20数年にわたり定期健診に通院されていましたが、一昨年体調を崩し、来院がとだえています。3名の患者さんは現在も年4回〜6回の定期検診を受けられています。また、4名の患者さんは1980年代から治療を始めましたので25年〜27年が過ぎたことになります。1/4世紀にわたる患者さんとのお付き合いから得られた報酬は「深いきづな」でした。
尚、1987年の出版時の患者さんの手記2007年の手記を原文のまま掲載いたします。
■ブラッシングの重要さが骨身にしみた(1987年の手記)
 東洋経済新報社出版局次長 田上豊光さん
■継続は力なり(2008年の手記)
 田上豊光さん
■地獄の苦しみから抜け出た喜び(1987年の手記)
  フェリス女学院大学名誉教授・NPO法人日本声楽家協会研究所長 渡邊明先生
■いま想うこと(2008年の手記) 
  フェリス女学院大学名誉教授・NPO法人日本声楽家協会研究所長 渡邊明先生
■根本を治すことの大事さを知った(2007年の手記)
  美容室「シャルマン」経営者 酒巻京子さん
■土台を治すことが失決だった(1987年の手記)
  埼玉県在住・主婦 遠藤静子さん
■遠藤静子さんからの手紙(2007年の手記)
 
次に「歯槽膿漏の患者学」とは別に、当医院に通院いただいている患者さんの体験談をご紹介致します。
 
■神の声に助けられた私(2007年の手記)
  松野志津子さん
 
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