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根本を治すことの大事さを知った
美容室「シャルマン」経営者 酒巻京子さん

私は年中、歯医者に通って歯ぐきを切っていた。とにかく歯ぐきが弱かった。いつも歯石をとってもらっているのに歯ぐきが炎症をおこす。そのうち歯ぐきがなくなってしまうのではないかと心配したほどである。
若林先生のところに来る前にも、やはり歯ぐきを切られて、包帯のように歯ぐきを石膏で固めていた。それに、前歯も痛み、グラグラしていた。
年中治療もうけ、食後や寝る前には、歯もまめに磨いているのに、どうして痛みは止まらないのか。来るたびにどうして歯ぐきを切らなければならないのか。それにさんざん待たせたあげく、治療台に坐って口を開けたら、もう終りといった治療だった。しだいに不満がつのっていった。

そんな時に、店のお客の紹介で若林先生を知った。
それまでも、良い医者だと耳にしたらたずねていった。何軒の歯医者をたずねたかわからない。歯医者にこうまでかかっているのに、どうして歯は治らないのか。むしろ悪くなっていくとさえ思える。それが納得できなかった。

そこで歯科医院を変えるのは、もうこれが最後にしたいという思いで先生をたずねた。
院内に貼ってある一枚の紙が目にとまった。そこにはこう書いてあった。
「相手の立場になって、自分だったらどうしてもらいたいかを考えよ」

信頼できる先生だと思った。
重症の歯槽膿漏だった。歯は抜け落ちる寸前だし、痛む。たくさんのレントゲンを撮り、その一枚一枚についてくわしく説明してくれた。そして治し方を説明して私に同意をもとめた。本人が納得して、同意して、治す気を起させなければダメだという。この先生ならきっと治してくれる。私はむしょうに嬉しくなった。

ブラッシングから始めることになった。自分はちゃんと磨いているという自負があった。しかし違っていた。食べカスがとれればいいといった、それまでの考えかたがくつがえされた。すべてはこの磨き方にあったのだ。

とくに私は前歯を軽視していた。食べる時には、前歯は使われていないとさえ誤解していた。ところがいざ歯槽膿漏になってみると、うどんさえろくに食べられないことに気がついた。うどんはまず前歯で噛んで食べることを知った。
前歯は決して飾りであるのではなく、噛むうで、重要な役割をしていることを知ったのだった。

28本の歯がすべて健全な時には、1本の重要性はわからない。しかし、1本が欠けたり、グラグラすると、その1本の重要さが身にしみてわかってくる。
うどんが噛めないどころではなく、私の前歯は、くしゃみをすれば抜け出そうなほどひどかった。だからいずれ入れ歯になると覚悟していた。

ところが前歯だけではなかった。前歯よりひどいところがあるといわれた。そのため、歯のまわりの骨の移植という大手術もしなければならないともいわれた。
そのためにも、まずはブラッシングであった。真剣に取りくんだ。初めは少々痛かったが我慢をした。歯が抜けるよりましだと思い懸命に磨いた。

私はもともと内臓下垂で、寝ているだけの時期もあったぐらい、体が悪かった。それで食事も人一倍気をつかっていた。しかし先生から、「根本を治さなければ、食べ物にいくら気をつかってもダメだ」といわれた。
根本を治せば、歯も丈夫になり、したがって何でもよく食べられ、胃にもいい影響をあたえて健康が保持できる。それを私はしたのだ。

私の歯はいま一本も悪いところがない。こんな素晴らしいことはない。
健康になった歯を維持するために、いま三ヶ月に一度の定期検診をしている。定期検診をすると、磨き方が悪くなってきたのが、てき面にわかる。しっかり磨いているようで、そうでないところが正直に現われる。そのチェックができるので大切なことだ。

いまでは、どこへ行くにもブラシを持っていく。ゴルフに行っても、プレイが終わるとすぐ磨く。磨くことが習慣になってしまっている。だから、他人の歯が汚れているのを見たりすると、歯を磨くことに大切さを話さずにはいられなくなる。磨くことを怠れば、必ず痛いツケがまわってくることを嫌というほど私は体験した。悪因悪果、善因善果、因果応報ということを肝に銘じている。

 
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